建築・デザイン

外 観
東広島市立美術館の外観について
東広島市立美術館のコンセプトは、「暮らしとともにあるArt、生きる喜びに出会う美術館」。
そして、それを実現する4つの理念が「ふれる」「はぐくむ」「つくる」「つなぐ」です。この理念を実現し、市民の溜まり場として賑わい溢れ、活発な活動や交流を生み出す仕掛けとして、デザインは重要な役割を担います。
市民に開かれ、隣接するくららとの統一感も考慮し、文化芸術ゾーンの街並みを先導して賑わいを生み出す外観となっております。
東広島市立美術館の窓について

美術館では作品保護の観点から光や熱等を避けるため、一般的には開口が少ない構造となっています。対面に位置する「東広島芸術文化ホールくらら」との連携を視野に入れた東広島市立美術館では、美術館本来の機能を維持するとともに、目の前に拡がる西条中央公園やくららをロビーから眺め、そして反対に公園やくらら側から美術館を覗くことができる双方向に開かれた「窓」にすることで、開放感のあるロビー空間となっています。
幾何学的なユニットの構成によって外部から差し込む光を絞りつつ、内部からは開放的に外を眺めることが可能なこの窓は、特徴的な意匠を生み出しながらも、日本の城にみられる狭間のように、外からは光が入りにくく中からは視界を確保しやすい、という実用性を兼ね備えています。

内 観
ロビー正面
美術館ロビーは、市民が気軽に立ち寄れる憩いの場、展示やイベントにも対応できる吹き抜けの空間になっております。1階は黒を基調としたデザイン、美術館の主要な機能(展示室など)を配置した2階から上は白を基調としております。
視線が上へ上へと誘導されることで、上下階をつなぐ吹き抜けの効果を強化しました。
南エントランス
東京都美術館旧館の門
旧東広島市立美術館(東広島市八本松町)は、昭和53年(1978年)に市内黒瀬町出身の大久保博氏(1910-1985)が建設し、東広島市に寄贈されたもので、広島県内初の市立美術館として開館しました。
大久保氏が旧美術館を建設する際に1階展示室扉として移築された東京都美術館旧館の扉及び欄間は、東広島市立美術館の歴史的象徴として新館南エントランスに移築し、引き続き来館者の皆様をお出迎えしています。