東広島市立美術館では美術館活動の充実のため、「近現代版画」「現代陶芸」「郷土ゆかり」を中心として作品収集しています。 開館当初は所蔵作品の数が少なく、展覧会の開催が困難な時期もありましたが、所蔵家・作家の皆様や美術愛好団体らのご厚意によって自主企画展を開催してきたことにより、多くの作家や市民の皆様からのご理解をいただき、美術品の収集を進めてきました。現在、東広島市立美術館には1,000点を超える優れた美術品が収蔵されています。
明治期以降の近現代版画コレクションは、所蔵品の約7割を占めています。日本の版画は、戦後の国際的な展覧会で受賞を重ね、非常に高い評価を受けてきました。当館では、版画の多様な作風を映し出しながら、系統的な収集を目指しています。
浜田知明《初年兵哀歌(歩哨)》 昭和29(1954)年
橋口五葉《化粧の女》 大正7(1918)年
永瀬義郎《抱擁》 大正4(1915)年
瑛九《旅人》 昭和32(1957)年
小野忠重《工場》 昭和7(1932)年
靉嘔《レインボー北斎》 昭和51(1976)年
木村光佑《現在位置―フレーミングA》 昭和46(1971)年
東広島市立美術館では、中国地方のほぼ中心に位置する立地を活かし、これまで『山陽・山陰路の陶芸展』や『現代の造形Life&Art-陶で彩る-』などの企画展を開催し、現代陶芸に注目してきました。今井政之・伊勢﨑淳・森陶岳・三輪龍氣生(十二代三輪休雪)・前田昭博・荒木高子など、備前・萩をはじめ、優れた現代陶芸作家の作品を幅広く収集しています。
今井政之《象嵌彩窯変洋蘭花壷》 昭和56(1981)年
森陶岳《條文壺》 平成2(1990)年頃
三輪龍氣生《黒陶 騎士の休息》 平成7(1995)年
伊勢﨑淳《箙》 平成9(1997)年
前田昭博《白瓷捻面取壷》 平成11(1999)年
荒木高子《砂の聖書》 平成9(1997)年
東広島市立美術館の収集の柱のひとつに「郷土ゆかり」の作品があります。郷土が育んだ作家作品は、誇るべき宝であり、それを収集・活用し、市民が触れ合う機会を提供することは、地方美術館が果たす大きな役割と言えるでしょう。東広島市、あるいは広島県内には、全国的に活躍する作家がおり、版画・陶芸・絵画など様々な分野で名旺盛に活動しています。
難波平人《遺響》 平成11(1999)年
木村芳郎《碧釉三稜壺》 平成4(1992)年
友安一成《母子像》 平成20(2008)年